2011/05/02

WTK2寄稿者紹介05(中野純さん)

中野純さんとは民家風カフェでお茶を飲みながら打ち合わせをしました。

近年は闇/夜/洞窟など「暗さ」をテーマにした著書の多い中野さん。むかしから先見性の人だと思っていましたが、電力過剰消費が見直される昨今、中野さんの本はどれも、これからの生活を楽しむための指南書のよう...というか、中野さんはむかしから「目が良い」のです。いや、視力がどのくらいなのかをお聞きしたことなんぞありませんが、とにかくいろんな意味で「目利き」であります、審美眼の持ち主。

最近はナチュラルで飾らない風貌の中野さんですが、青年期には(その目の良さに拠る!?)独自の色彩感覚をバリバリにファッションに反映させていまして、ほんと、いつ会ってもはっとするほど綺麗な色の服をさらりと着こなしていました。孔雀のような超スリムボーイ...。うぬぬっ、ちょっとへんなことを思い出しましたが(うろ覚えですが)、若かりしころ中野さん、そしてウィッチンケア vol.2に素晴らしい写真を提供してくださった徳吉久さんとご一緒したさいに、おふたりに共通した日常の「ドレスコードみたいなもの」について聞いたような記憶があって、それは「野球帽はかぶらない」「長袖シャツの腕をまくらない(あるいは、夏でも半袖は着ないだったか?)」「スニーカーは履かない」ではなかったっけ? ははは、むかしから野球帽かぶって腕まくりしてスニーカー履くのがデフォルトな私は、どうすればいいのだ...。

いつだったか、メールのやりとりかなにかで私がなにげに“NHKの「今日の料理」”と書いたら、返信ですぐに「きょうの料理」と正確な番組名に訂正されたこともあったなぁ...そんな、目が良くて哲学的な中野さんには、私が「こんなもんだろう」くらいにぼんやり認識している世の中の諸々も、きっちり見えているのだと思います。きっと看過できない「美しくない事象」も多そうで、眼精疲労が心配〜。

中野さんが寄稿してくれた「十五年前のつぶやき」は、インターネット普及以前の草の根BBSに書き込んだ膨大な「つぶやき」を、2011年の言葉としてリミックスしたもの。本稿で自身のなにかにオトシマエをつけたのでしょうか、中野さんはTwitterでまた、つぶやき始めました。こんな時代に、いったいどんな示唆的な言葉が、ネットの世界を飛び交うことになるのか...。


愛、ですか……。うーむ、そうなのかもしれません。いや、
そうに違いありません。私はオンライン……というより
も、デジタル・コミュニケーション、デジタル・メディアが、
好きで好きでしょうがないんです。人類史上、滅多にない、
途轍もない大変革の時代に自分が生きていると感じます。

キーボードやマウスから入力して、それをマックがしっ
かり受け止めてモニタに出力して、それに応えてまた入
力して、また出力して、そうして毎日、目をシバシバさ
せながら、私は愛を確かめ合ってるのですね。ああトリ
ニトロン、美しきトリニトロン、おまえは健康に悪い。
誰か私に、OAメガネを下さい。

テレビで知りましたが、今日は海開きだったそうで。で
も無理矢理こじ開けたって感じの寒々しい映像でした。

そう、まさにその「無限近」と「無限遠」です。脳味噌
同士は限りなく近づき、肉体同士は限りなく遠ざかる。
満員電車の状況と、ちょうど逆です。満員電車内では、
脳味噌同士は限りなく遠ざかり、肉体同士は限りなく近
づく。

オンラインの「無限近」と「無限遠」は、ものすごく濃
密で、同時にものすごく希薄なコミュニケーションを生
み出します。その、脳の濃密さと肉体の希薄さの同居が、
私にはとても気持ちいいものに感じられます。行け行け、
オンライン!

私も考えてみました。これならうまくいくと思います。
栗の木からやや離れたブッシュの中に身を潜ませ、じっ
と待つ。→誰かが栗を拾い、うまく中身を取り出したと
ころで、歩み寄る。→「ください」と言う。

政治家になんか、世の中を変えてほしくないです。世の
中が変われば自然に政治家も変わります。

〜「Witchenkare vol.2」P73〜74より引用〜

Vol.14 Coming! 20240401

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