2012/05/25

vol.3寄稿者紹介17(澤水月さん)

私にもなんかひとつくらいコワい系の持ちネタなかったっけ、とさっきから思いを繞らせてみたのですが、うぬぬっ、何度か正夢を見たってくらいかな...逆夢は1種類だけくり返し見るのがあって、そのつど魘されますが(大学の仏語1の単位が取れてなくて卒業できなかったって夢。最近でもまだ見るYO!)。でっ、正夢のほうは、予知的なものより既視感的なもののほうが圧倒的に多くて、前者では数ヶ月行方不明だったあるものが夢の中に突然現れて、目が覚めてすぐ母親に「今日見つかる」と話したら夕方まったく知らない人から連絡があって、あれはまさに正夢。後者のほうでは夢を見たことさえ忘れていた状況が、日常生活で「あれ〜!? このシーンに以前立ち会ってるよ、オレ」になっちゃうことで、こういうのってなんだろ。既視を察知した途端、たとえ楽しい時間でも血管が軋むような悪寒を覚えるのだけれど、記憶より身体のほうが敏感ですね。

澤水月さんは私なんかよりはるかに世の中の恐いものと交流(交霊!?)を重ねてきたようで、今号のウィッチンケアには、そんな澤さんがこれまでに見聞きした奇譚が時系列で紹介されています...っていうか、そもそも、澤水月っていう筆名がさりげに恐いし(ついでに申しますと、Twitterやtumblrのアイコンも!)...いえいえ、薔薇栽培の好きな心優しい女性でして、筆名は泉鏡花と澁澤龍彥に由来するそう。以前「解放治療」という同人誌で村崎百郎氏にロングインタビューしたことがあり、一昨年出版された「村崎百郎の本」でも編集協力/執筆。新聞やホラー誌「TRASH-UP」、フリー誌「Rooftop」などでも活躍中です。

澤さんの寄稿作品「怪談問わず語り」を読んで私が思い出したのは、昔のAMラジオの深夜放送に混ざっていたノイズ。あの電波音をBGMに語られたから、読者投稿やパーソナリティの話が、よけいに恐かったような気がするのですけれどもね、澤水月さん!




 毎晩のように性霊に襲われていた先輩がいた。金縛りに遭い、髪の長い美女のようなものが先輩の下半身を弄ぶのだという。「霊感があるから幽霊には慣れっこ」と普段から自称していた先輩のため、割と恐怖より好奇心と快感に身を委ねていた。ついには霊の唇によって達させられるまでに至った(物理的に射出物がどうなっているのかは聞きそびれた)。
 あるときまた美女が現れ、金縛り、めくるめく時を過ごし……霊がいつもと違う動きをして先輩の胸元よりさらに這い上がってきた。
「ワタシニモ同ジコトシテ」の意と汲んだ先輩は、日頃の御礼に(?)口だけ何とか動かし、ずり上がってくる霊のそこを待ち受けていたが。
 眼前に現れたのは見慣れすぎた光景だった。よく見るものがそそり立っている。美女ではなく、そいつは男だった……。
「幽霊は怖くないけどアレばかりはな」と先輩は頭をかいた。その時、どう対処したのかはついに教えてもらえなかった。


Witchenkare vol.3「怪談問わず語り」(P128〜P133)より引用/写真:徳吉久
http://yoichijerry.tumblr.com/post/22651920579/witchenkare-vol-3-20120508

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