2012/05/28

vol.3寄稿者紹介20(高橋宏文さん)

ウィッチンケア vol.3にはPrefab SproutThe Blue Nileという英国のバンドをテーマにした作品が掲載されています。ブルー・ナイルは、私は2作目の「Hats」を六本木WAVEで見つけて買ったと記憶。すぐ気に入って1作目の「Walk Across the Rooftops」も入手して、最初はファーストのほうが輪郭のはっきりした感じで好きだったかもしれない。当初はトニー・マンスフィールドやルパート・ハイン絡みのエレポップ(遅れてきたエレポップ...)、あるいはIt's Immaterialの「Song」あたりと一括りでひそかに愛聴していたのですが、いやぁ、こんなに長く、しかも聞けば聞くほど好きになるとは。それで、個人的にこのバンドが好きな理由でもっとも重要なのは「エレポップのくせに...」ってことです。やおやのくせにこれかよ! というニセモノの凄さ。同じ感覚はスライ・ストーンやプリンスにも持ちまして、その場合は「ソウルのくせにこれかよ!」...うまく説明できないのでやめとこうかな、ブルー・アイド・ソウルならではのグルーヴとか...やめとく。

高橋宏文さんのことをよく知らないころ、私はFacebookで「お〜、私もブルー・ナイルが好きなんですが、なんか、詳しいっすね」みたいな会話をしていました。まさか4作目「High」の日本盤ライナーノーツ執筆者とも知らず。あはは、詳しいはずだ。バンドのメンバーや関係者にも取材している人なのですから。J-WAVEの番組レポーターとして世界28ヶ国を放浪したり、ラジオの構成作家としても活躍する高橋さんは、最近は自身が撮影する写真熱が高まっている、との噂も。今年はリーダーのポール・ブキャナン名義アルバムも発売されたことだし、飛躍の1年になることを祈念致します!

掲載作品「ブルー・ナイルと出逢った人生」のなかで高橋さんは、〝We Could Be High〟という歌詞の一節について「この〝High〟という言葉には何か希望のようなものがこめられていると感じられる」と書いています。この感覚、わかるな。好きな歌が自分のものになって新たな意味を帯び始める...作り手と聴き手という関係が、よりハッピーなものに変化する瞬間の描写ですよね、高橋宏文さん!



 あれから15年が過ぎた。その間に旅もした。恋もした。紆余曲折を経て、ブルー・ナイルと会える機会がありそうだからという理由だけでFMラジオ業界にも飛びこみ、同時に雑誌のライターとしての仕事も始めた。そして念願叶って、ポール・ブキャナンと実際に会ってインタビューもできた。その後もマイペースで活動を続ける彼らのことだから、2004年の〝High〟リリース以来、例によって現在までほとんど音沙汰なく沈黙していることは一向に気にならない。それでも僕の人生のどこかにはいつも彼らの存在があった。
 ときどき、なぜこれほどまでに僕の人生を変えてしまう存在になったのだろうか、と考えることがある。単純にサウンドの雰囲気やメロディが好きということであれば、他にも好きな音楽は山ほどあるのに、自らの生き方にまで影響を及ぼしているのは、ブルー・ナイルを除いて他には存在しない。あらためて考えてみるとそれは結局のところ、彼らの「うた」がもたらす何かによって、人生の本質を見つめることが刺激されてしまうからなのかもしれない。このことが最近少しずつ理解できるようになってきた。


Witchenkare vol.3「ブルー・ナイルと出逢った人生」(P148〜P153)より引用/写真:徳吉久
http://yoichijerry.tumblr.com/post/22651920579/witchenkare-vol-3-20120508

Vol.9 Coming! 20180401

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