2016/05/26

vol.7寄稿者&作品紹介33 谷亜ヒロコさん

いつだったっけ、谷亜さんとの打ち合わせの雑談で私が「最近母親と同居したんだが、階下に降りると昼間いっつもメグミやミヤネが付いてて、そういうのばっか観てると〜」と愚痴ったら、「そういう...(真顔)、誰がどんなテレビを観ていても〝やめろ〟みたいなことは、言っちゃいけません」とぴしゃりアドバイスしてくれまして、以後肝に銘じています。うぬぬっ、でもテレビってな〜でもネットだってな〜ってそういう〝自分が見たもの〟に反応してるオレってのだってな〜...堂々巡り。

谷亜さんの今号寄稿作には、野々村議員とかふつうにちらっと登場します。私はあの人のニュース(っていうかメグミやミヤネ的報道)をあんまりおもしろがれなくってなんで号泣してたのかもよくわかっていませんが、しかし谷亜さんの作品に登場する「私」...もうちょっと勝手に拡げると、いま<いつか結婚して子供を産んで安定していたいという願い>を抱いて生活している年齢であの人のニュースに触れるとどんな思いを持つのかはわかっていない(自分がわかっていないということがうっすらわかっているだけ)。

「私」は<会社の中で素敵なオフィスのパソコンの前で働く>自分を思い描き、劇団生活ときれいさっぱり決別できると信じているようですが、しかし作者の筆致からするとどうも前途洋々には感じられず。谷亜さんの作品の主人公は前々作でも前作でも、ハムスターホイール状態だったような記憶も。劇団内恋愛を「私」が語るくだりも悟っているようで至らぬ気配がするし...作者はじつは別の「答え」を持ってそうです。

ここ数日はテレビでもネットでも地下アイドルやギター女子といった言葉が飛び交っていて...私は母親に「ジョン・レノンのときと同じなんだよ」と詳しい説明なしに言ってみたが...まあいいや。でっ、昨晩検索して、むかし映画館で観たワイト島フェスティバルの映像を再見。ジョニ・ミッチェルが騒動の後にギター抱えて歌う姿に、ちょっとほっとした気分でした。



 私はカリスマドットコムの腹落ちから、すぐに仕事を見つけてきた。その変わり身の早さは、人生で初めてぐらいのスピードで、今まで使ってなかった力をここで一気に出し切ったような不思議な爽快感だった。イケル、私はOLさんなれる、それもかなり仕事ができるキャリアOLに、という無意味な自信に繋がった。それは正社員ではなく、派遣社員という種類のものだったが、たいして気にしていない。私は週に5回も会社に行けるということが嬉しくてしょうがない。毎月二十万円以上のお金がもらえると思ったら、にやけてしょうがない。会社の中で素敵なオフィスのパソコンの前で働く私を思い浮かべると、うっとりする。そう思うと、劇団の汚すぎる全てが嫌になる。

ウィッチンケア第7号「夢は、OL〜カリスマドットコムに憧れて〜」(P184〜P187)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/143628554368/witchenkare-vol7
谷亜ヒロコさん小誌バックナンバー掲載作
今どきのオトコノコ」(第5号)/「よくテレビに出ていた私がAV女優になった理由」(第6号)
http://amzn.to/1BeVT7Y

Vol.8 Coming! 20170401

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